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目黒side
ジェ「主役は戻らなきゃ！」
「何言ってるんですか。ジェシーくんが来た時点で、主役はジェシーくんですよ」
お店に客として男が来るのは珍しいし、高身長でイケメンとくれば女子の目線はジェシーくんに釘付け。キャストと勘違いするお客さんに何回説明したことか。
ジェ「今月も1位だったんでしょ？おめでとう！」
「…ありがとうございます」
ジェ「なんだよ、嬉しくはなさそうじゃん？」
「いや、嬉しいですよ…けど、」
ジェ「……お金、そろそろ貯まったんじゃない？」
「…はい、貯まりましたよ。この間、同意書にサインしてきました」
ジェ「目標達成！ってことはここは辞めちゃうの？」
「……そのつもりです。元々、自分には向いてなかったので」
ジェ「向いてないやつがここまで人気になる？ ならないでしょ〜」
この仕事が向いているか、向いていないかで言ったら向いていないと思う。
元々は早くお金を貯めたくて、……いや、それもあるけどあの日、ふっかさんに拾われたから始めるしか選択肢がなかったのもある。右も左も分からなかったけど、死にものぐるいで気づけば年間売上1位という高すぎてよく分からない場所にいた。
「ふっかさんにも早く出て行け、って言われちゃいましたし…」
ジェ「え？ 深澤くんそんなこと言ったの？………そっか、」
ジェシーくんと話し込むうちに、かなり長居してしまったらしい。身体はすっかり冷え、頬も違う意味で赤い。
ジェ「あのさ、」
「はい」
ジェ「弟くんに星のこと教えてもらったんでしょ？」
「そうですけど…」
ジェ「なんで弟くんは星のこと、そんなに熱心に教えてくれたのかな？」
「え？」
風に乗ってジェシーくんの香水の匂いが鼻をかすめる。
ジェ「見えるといいね、流れ星」
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作者名：夢月流
| 作成日時：2022年9月19日 21時
