Hug Ⅱ (ページ1)

今日:25 hit、昨日:64 hit、合計:46,519 hit

おしえてページ1

深澤side

朝、人のバタバタする気配と誰かの泣き声で目を覚ました。

亮平かな……と自分の左側を触ったけど、そこには緑の毛布がぺちゃんと潰れているだけ。

あれあれ、と体を起こすと、ちょうど寝室の扉が開いて困り顔の照がそこにいた。

照「……あっ、ふっか起きた？ごめん亮平が熱出したみたいで」

眼鏡をかけて声の方を見ると、おでこにぺたんと熱冷まシートを貼られた亮平が照の腕の中でわんわん泣いていた。

亮平は昔から体が丈夫ではなかったし、最近は1日単位で寒暖差が激しかった。

とりあえず今日1日翔太とは離れて過ごしてもらおう、と横を見て、ふと異変に気付く。

深「……あれ？」

亮平のその隣、暑がりなのかいつも毛布を蹴っている翔太が、今日は頭からつま先まですっぽり隠して丸まっている。

深「しょうたー？かくれんぼしてんの？」

翔「っ……ん、う」

ひらりと毛布を捲って……驚いた。

りんごのようなほっぺに潤んだ目、口を開けて荒く息を吐く。

深「え、え、翔太どしたの、」

前髪をよけて額に触れるとしっかり熱い。

苦しそうに息を吐くだけで何も言わない翔太を毛布で包むようにしたまま抱き上げると、息を漏らして胸に擦り寄ってきた。

亮「っ、えぇぅ……ひ、っ」

照「しんどいなぁ、、舘さんとこ行こうな」

深「照ごめん、翔太もだ」

水色の毛布でくるんっと巻いた体は燃えるように熱かった。