❅·̩͙57 ページ17
荒れていたらしい。
核となる部分はやっぱり自分から言えないけど
色々あって荒れていた。
ただ、白雪に入る前の目黒のような荒れ方ではない。
いつどこに消えてしまうか分からないような
そんな危うさが常に彼の周りを取り巻いていた。
その時期の彼を支え続けたのが、だてとルーナ。
だては親友として。
ルーナは、親友兼彼女として。
｢…だからあんなにくっついてたんだ｣
宮｢まあルーナは小さい頃から翔太が大好きだったから
何とか元に戻そうと必死だったよ。
…元に戻った途端翔太が振ったから、別れたけど｣
それもそれでひどいな。
あの様子を見るに彼女はまだ気持ちを抱えたままだろうし。
彼女もいろいろ思うことはあるんだろう。
だけどそれを私に押し付けるべきじゃない。
｢龍に、渡辺の父親は金を借りてたの｣
宮｢…うん。けどそれは、悪夢の一部に過ぎない｣
……悪夢。
私があの頃毎日見ていたものだ。
寝ても覚めてもここがどっちなのか分からなくて
どこにも自分の居場所を見つけられなかった。
彼にとってもここはようやく見つけた居場所だろう。
脅かされるなんて、思ってもいなかったはず。
｢お母さんは？｣
宮｢居ない。…自ら命を絶ってる｣
｢…父親は｣
宮｢…さぁ。一生檻の中なんじゃないかな｣
つまり、渡辺は。
｢……天涯孤独なんだね。私と一緒だ｣
厳密に言えば違うけれど、似たようなもの。
一生会えないか一生会わないかの違い。
だての目が見開かれる。
一人暮らしをしているという文言だけでは
そこまで想像しなかったらしい。
今話せば、彼のことも話してくれるのかもしれない。
随分口が軽くなったものだと自分で呆れてしまうけど
それだけ消化できたんだと、空気を吸い込んだ。
…なぜか、エレベーターが到着する音が聞こえた。
なにか来る。
動物の本能というのは、本当に人間にも備わっているのだと思う。
｢ やぁ、さっきぶり ｣
メンバーのほとんどはまだ上にいる。
すぐさま立ち上がっただてが私の前を塞いだ。
どうやらさっきと違い、今は1人らしい。
宮｢何の用だ。わざわざ調べて来たのか｣
｢ そーんな怖い顔すんなよ。トンズラされたら困っからな。
ご挨拶しに来たんだ ｣
そう言って、後ろに回されていた手が前へ出る。
青を基調とした綺麗な花束だった。
ニタニタ笑うそいつが更に何かを取り出した。
何かの、スイッチだ。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
