❅·̩͙59 ページ19
『んだよ……ちくしょう…っ』
ルーナが手を握りしめた。
少しだけ湧き上がりそうになる黒い感情をそっと抑える。
何も知らない私に、出来ることは。
｢…渡辺。300って言ってたよね｣
全員の視線がこちらに向くのを感じた。
｢私なら返せるよ｣
家にある、私にとって大した意味をなさない調度品やら
誰が何を描いたのかよく分からない絵。
母は怒るだろうが、居ない母を思って残すよりも
生きている誰かの手に品物が渡る方が
皆にとってピースフルなはずだ。
そして渡辺も助けられる。
一石二鳥。
『何で？……まさかあの車？』
｢あれは申し訳ないけど手放せない。
渡辺見たでしょ。私の家、壺やら絵がいっぱいあって
それ1つ売ればそんぐらい工面できる｣
目黒が意味深に私を見つめた。
売ってしまっていいのか、と問うてくるような。
文言に隠された背景を想像できるのは彼しかいない。
『や、ダメだ…そんなの』
｢じゃあどうやって返すつもり？3ヶ月で300返せるの？
1ヶ月で100稼げる仕事が高校生にある？｣
｢ ちょっと、言い方良くないんじゃないの ｣
何でここで入ってくるんだ。
気持ちに寄り添ったら金が返せるのか。
渡辺を慰めりゃ金が湧いてくんのか。
言い方ひとつで何かが変わるならとっくに変わってる。
私や渡辺と違って孤独を知らない人間は、
余計なことにはよく気を利かせてくれるくせに
奥底で精一杯伸ばしている手に気づかない。
｢なら、あんたが " 翔太くん " の300どうにかできんの？｣
イライラするんだ。
どうも出来ないくせに一緒に頭を抱えて、
私はあなたの味方ですよって顔して。
そんなヤツ、私の周りにも腐るほどいた。
｢…なんにもしないやつがただ寄り添ったって
苦しいまんまだから｣
目｢先輩、｣
メンバーは私を凝視してる。
あぁ、ちょっと口が悪かったかな。
引かれたかも。
こんなんじゃ守る気なんかなくなるよね。
｢…ごめん。まぁ、最終手段で考えてくれたらいいかな｣
それ以上そのスペースに居られなくて
なんなら同じ建物に居ることも辛く感じて
最近行くことが少なくなったあの場所に逃げたくなった。
エレベーターを使えばすぐどこかに行くことがバレてしまう。
だから、あえて階段へ続く扉の方を開けた。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
