❅·̩͙63 ページ23
動物的な本能か、
アジトの駐車場に着いた瞬間
目を覚ました目黒が顔を歪ませた。
目｢せっかく2人きりのドライブだったのに…｣
｢疲れてんでしょ。早くベッド入って寝な｣
ため息ついてるよ。
そんなにドライブが好きなのか。
あんたのために動く女なんかいくらでもいると思うけど。
寝静まったアジトをエレベーターが駆け上がっていく。
渡辺も、さすがに寝ただろうか。
顔を合わせるのがちょっと気まずくて
出来れば今夜はもう誰とも会いたくない。
が、その願いは届かなかった。
いつぞやのよう、同じ位置に座って液晶を眺めてる。
目｢しょっぴーただいま｣
簡単に声かけるじゃん。
目黒の後ろに半分隠れた。
ゆっくり振り返った渡辺は眠たそうに目を擦る。
『…おせぇ』
目｢ドライブしてたんだ｣
『しってる、車なかった。なんでかくれてんの』
私がここを出る前の記憶は渡辺にないらしい。
元とはいえ付き合っていた女にきつく当たる女は
見てて気持ちのいいものじゃなかったはずなのに。
立ち上がった彼がノシノシ近づいてきて
目黒に向かって手を払う。
目｢またドライブ連れてってね、先輩｣
何かを察した目の前の影がなくなる。
階段を上がってく背中を見つめていたら、
ねぇ、と声が飛んできた。
その声でやっと渡辺の目を見る。
…ほっぺた、膨らんでる。
｢…はい｣
『勝手に出てくな。アホ』
…アホって言われた。
なんだとこの野郎。
｢アホって言う方がアホだから｣
『アホだからアホっつってんの、
1人で出て変なやつに拐われたらどうすんだよ』
｢目黒居たもん｣
『たまたまあいつが追っかけたからだろ』
18にもなって低レベルな言い争いだ。
言い返したらまた返ってくる。
エンドレスで不毛な時間。
ふー、と一旦目を閉じて彼を消した。
彼が悪いわけでも私が悪いわけでもない。
だからこんなやり取りは、
ふわり。
お風呂上がりの匂いが私を包んだ。
驚いて目を開ければ、彼の肩が私の目の前にある。
『…どっか行きたくなるなら俺連れてけよ』
きゅ、と少しだけ背中に込められた力に心臓が高鳴る。
目黒の時には鳴らなかった音。
認めたくないと思えば思うほど、堕ちていく気がした。
｢…それってさ、｣
『なに？やきもちだけど』
深く深くまで、堕ちてゆく。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
