❅·̩͙73 ページ33
居てもいいのか、と考えてしまった。
家族を壊した人の影が、
私の後ろには絶え間なく映るだろうと
言いかけて
それは私にも同じことが言えると気づく。
むしろ私が見える影の方が濃いはずだった。
私欲のために、世界にたった2人の私の両親を
土に還した奴を絶対に許さない。
死ぬよりも怖い思いをして
それから死んでもらわなくては気が済まない。
奴が出てくる日をもはや楽しみにして生きてきた。
なのに、血が繋がっていると知っても
目の前の彼には憎しみひとつ出てこない。
恋、という感情は
何もかもを消し去る天使で、悪魔みたいだ。
｢…嫌じゃ、ないですか｣
『何言ってんの、連れ込んだのうちのめめね。
ほんとは俺が連れてきたかったのに』
目｢…だから連れ込んだってやめてくんない？人聞き悪い｣
向｢まあ事実やけどな｣
『あとそろそろ離れろよ、いつまで引っ付いてんだよ』
ラ｢…しょっぴーヤキモチだ｣
張り詰めていた1本の糸のような空気が
ゆるりとたわんでいくのが分かった。
いつもの、家の白雪だ。
岩｢はい、じゃあこれでもう解決ね。あとは、｣
岩本が視線を花束に移した時、警告音が鳴り響いた。
前にも聞いたことのあるそれを佐久間が手に取って
画面を見つめる。
深｢どこのやつ｣
佐｢…ルージュだわ｣
ふっかが渡辺にデコピンをかます。
小さいため息をついた総長に片手で謝ってる。
深｢俺と佐久間で行く。揺らされてその花束が反応したら
ヤベェからな｣
阿｢ていうかもう返してきなよ、Aちゃんと。
俺ら気が気じゃないんだから。
さっきふっかが翔太の胸ぐら掴んだ時も
文字通り死ぬほどヒヤヒヤしたんだからね｣
深｢ご、ごめん｣
ちょっと阿部に怒られた深澤は
ニコニコスマイルを浮かべた佐久間の肩を掴んで
気まずそうに降りていった。
さっきまでの威厳はどこにいったのか。
まあそこがいいんだろうけど。
『あのさ、もっかい言うけどいつまで引っ付いてんの？
さっきの阿部ちゃんの言葉聞いてた？今から俺ら出るから』
目｢先輩、俺も行っていー？｣
『ダメだっつの』
｢ダメだって、残念だね目黒｣
目｢じゃあ帰ってきたらお話しよーね｣
重みと温もりが消えた。
代わりに渡辺の手が私の腕を掴む。
目の合わない彼は口元を隠しながら、
あの日みたいに私を後ろに乗せた。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
