❅·̩͙46 ページ6
あまりにも綺麗だったから。
私の周囲にあるものが、全て美しかったからだ。
言わないと決めたことがこうも簡単に零れてしまったのは。
目｢ごめん、デリカシーなかった｣
｢全然。親のいない年月を過ごした時間の方が長いの。
もうなんも思わないよ｣
これは嘘だった。
今でも親子連れを見るのは苦しいし
私にだって与えられていたはずの愛情の欠如を感じて
泣きたくなることもあった。
10年、押し殺した痛みと悲しみ。
最近になってようやく溶けてきたように感じる。
目｢ずっと白雪に居なよ｣
｢…分かんないね。人生何があるかわかんないもん｣
この世に永遠に続くものはない。
絶対に存在し続けるものもないと、
私は僅か8歳で知ったんだ。
ずっと暗闇だった。
太陽の光は眩しすぎて
無数にある星も両親を想う対象で。
欠けていてもじんわり私を照らしてくれた月だけは
安心して見ることが出来た。
雲が晴れる。
月が、顔を出す。
目｢…俺も月になりたいなあ｣
｢はい？｣
目｢だってそしたら、先輩を癒せるでしょ｣
月の光も星の光も街を灯す光も
全てを詰め込んだような目で私を見ている。
あの目黒蓮の視界には私だけが映っている。
｢あんまそういうの言わない方がいいんじゃない？｣
目｢何で？｣
｢目黒が1番よく分かってるでしょ。
あの学校には都合よく捉える女しか居ないんだから｣
目｢都合よく捉えてもらっていいんだけど｣
聞き間違いかと聞き返しかけたが
射抜くような視線に何も言えなくなった。
いや、落ち着け。
彼はただ都合よく捉えてもいいと言っただけであって
勘違いしろとは言ってない。
確信できるような言葉も発してない。
思い上がりは良くない。
男女の関係なんて、それこそ永遠を約束するだけ無駄というもの。
約束したって守られないのが大半じゃないか。
目｢先輩。今めちゃくちゃ顔面白いよ｣
｢し、失礼な｣
目｢意外と免疫ないの？笑｣
｢非常にうるさい｣
最初よりいくらか距離が縮まって
一番星はどれかとかオリオン座はどこかとか
大して答えの出ない問いを2人で探して
ふと時計を見れば、日が変わる直前に差し迫っていた。
これ以上はだてに怒られる、と一緒に立ち上がる。
白雪の家にある憂鬱などすっかり忘れて
また彼の腰に腕を回した。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
